
気づいたら何回も見返してしまうドラマって、ありませんか? もしもこれがビデオテープやフィルムの時代だったら、擦り切れて再生できなくなっているんじゃないかと思うほど、繰り返し見てしまう宝物のような作品。
ただ、私の周りだけなのか、世間一般に「ドラマ離れ」が進んでいるのか、どうもみんなドラマとなると「重い」と感じてしまいがちな気がします。アニメなら新しい作品をサクサク開拓できる人でも、ドラマとなるとなぜか見ている人口が少ない。……正直、めちゃくちゃ勿体ないなと思ってしまいます。
だって、本当にみんなに見てほしい、震えるほど面白いドラマは確実に存在するからです。 「最近、日本のドラマ見てないな」という方にこそ、私の人生を豊かにしてくれた超名作を前後編に分けて6つ紹介します。「これを見ずして人生を終えるのは、幾分かもったいない!」と言い切れる名作たち。まずは前編の3作品、よければこれを機にサブスクで再生してみませんか?
① 『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』

- 放送時期: 2016年10月〜12月(日本テレビ系)
- 出演者: 石原さとみ、菅田将暉、本田翼、青木崇高、岸谷五朗
- プロデューサー: 小田玲奈 ほか
- 脚本: 中谷まゆみ、川﨑いづみ(原作:宮木あや子『校閲ガール』シリーズ)
- あらすじ:
ファッション誌の編集者を夢見て出版社に入社した河野悦子が、配属された超地味な「校閲部」で、ド派手なファッションに身を包みながらも、持ち前の真っ直ぐさで仕事に全力投球していくお仕事コメディ。
実はつい先日も、Amazonプライム・ビデオで見返したばかりの大大好きな作品です。 この作品の個人的な推しポイントは、とにかく石原さとみさん演じる河野悦子が可愛すぎる! そして、見るだけで元気をめちゃくちゃもらえるという点です。 自分の「好き」に対してどこまでも真っ直ぐで、全身全霊でぶつかって、悩んで、本気で取り組んで成果を出す。その姿がなんてカッコよくて輝いて見えるんだろうと、見るたびに胸が熱くなります。今、SNSなどで謎に流行っている斜に構えた「冷笑文化」を、えっちゃんが正面からガツンと一発ぶん殴ってくれるような、そんな爽快さがあるのです。
そしてこのドラマの凄いところは、2016年の作品であるにもかかわらず、悦子のコーディネートが今の時代に見てもめちゃくちゃおしゃれで可愛いこと。昔の作品って、当時のトレンドを詰め込みすぎて今見ると古臭く見えがちなのですが、ヘアスタイルを含めてスタイリングが本当に最高。スタッフ陣が優秀すぎます。
※ここからほんのりネタバレ注意ですが…
石原さとみさんと菅田将暉さんの恋愛模様も可愛すぎます。恋愛描写にありがちな、ドロドロした複雑な三角関係やすれ違いがほとんどなく、視聴者がとにかく見たい最高のラブラブを真っ直ぐ用意してくれて感謝が止まりません。「とことん真っ直ぐ」という根底のテーマがあるからこそ、恋愛のゴタゴタはあえて描かなかったのかもしれませんね。
② 『アンナチュラル』

- 放送時期: 2018年1月〜3月(TBS系)
- 出演者: 石原さとみ、井浦新、窪田正孝、市川実日子、松重豊
- プロデューサー: 新井順子
- 脚本: 野木亜紀子(完全オリジナル脚本)
- あらすじ:
新設された「不自然死究明研究所(UDIラボ)」を舞台に、法医解剖医の三澄ミコトたちが、偽装殺人・医療ミス・未知の症例など、運ばれてくる「不自然な死(アンナチュラル・デス)」の裏にある謎を解き明かしていく法医学ミステリー。
我らが野木亜紀子さんの、言わずと知れた代表作中の代表作。主題歌である米津玄師さんの「Lemon」が、ドラマの切ないクライマックスとシンクロして社会現象になったのも記憶に新しいところです。 野木さんの作品全般を愛するファンの方々には大変申し訳ないのですが、私は「アンナチュラルが至高すぎる」と思っています。これを超える野木オリジナル作品はない、と個人的に言い切れるレベルで、どこを切り取っても好きしかありません。
野木作品の共通の魅力でもありますが、劇的なヒーローではなく「比較的普通の人たちが、真剣に働いて一生懸命人生を生きている姿」の描き方が本当に秀逸なんです。物語なので天才的な能力の設定はありますが、人間として脆さも抱えた普通の人。だからこそ、この世界のどこかに本当に実在して、今も生きていると思えるリアリティがあります。日々一生懸命働く人々へのリスペクトを感じるからこそ、これを見ると「よし、私も頑張って働くぞ」という健やかなエネルギーをもらえるのです。
事件が解決して物語としてのクライマックスを迎えても、彼女たちの仕事や日常は明日からもあたり前に続いていく。まさに「Life goes on(人生は続いていく)」というメッセージが静かに響くラストも素敵です。小気味よいテンポ感でストーリーが進むので、見始めたら一気見必須。寝不足にお気をつけください。
③ 『逃げるは恥だが役に立つ』

- 放送時期: 2016年10月〜12月(TBS系)
- 出演者: 新垣結衣、星野源、大谷亮平、古田新太、石田ゆり子
- プロデューサー: 那須田淳、峠田浩、宮﨑真佐子
- 脚本: 野木亜紀子(原作:海野つなみ『逃げるは恥だが役に立つ』)
- あらすじ:
職ナシ・彼氏ナシの森山みくりと、恋愛経験のないお堅いIT会社員・津崎平匡が、「雇用主と従業員」という形で契約結婚。一つ屋根の下で暮らすうちに、徐々に互いを意識していく社会派ラブコメディ。
こちらも『アンナチュラル』同様、日本中で「恋ダンス」が踊られ社会現象となった大ヒット作。韓国をはじめ海外でも非常に人気が高い作品です。 だからこそ、のちに星野源さんと新垣結衣さんが現実の世界で本当にご結婚されたときは、あちこちでお祝いの嵐が吹き荒れましたよね。私にとっても、嬉しすぎて心臓が破裂しそうなほどのご褒美ニュースでした。
少し脱線しましたが、この作品の個人的な大好きなポイントは、「ラブコメ」と「社会派ドラマ」のバランスが絶妙すぎる点にあります。 本当に個人的な意見ですが、世の中に「社会派コメディ」と銘打っている作品はたくさんあっても、社会派の要素がただの薄い味付け程度になってしまっていて、メインは結局ただのドタバタラブコメ……という作品が多い気がするんです。しかし、逃げ恥は違います。キュンとするラブな部分の根底にまで、家事労働の対価やジェンダーロールといった「社会派」のテーマがずっしりと、でも軽やかに組み込まれている。流石は一生懸命生きる人間を描くのが上手い、野木亜紀子さんならではの素晴らしい脚本マジックです。
今となっては「合法的にガチ夫婦のラブコメが見られる」という意味でも、ものすごくレアで贅沢な作品。いろんな方面からほっこりした癒やしと、明日への元気を貰いたいときに、ついつい何度も見返してしまいます。
おわりに
……すいません! 思った以上に作品への愛が爆発して熱弁してしまった結果、想定よりもかなり長くなってしまいました笑。
それだけ、これらのドラマには何度見返しても色褪せない魅力と、私たちの日常を支えてくれるパワーが詰まっているということです。
というわけで、残りの「個人的超名作ドラマ」3作品については、エネルギーを一度補給して、次の記事でじっくりご紹介したいと思います。後半もかなりの熱量でお届けする予定ですので、ぜひお楽しみに!
