
昨年の自分を振り返ってみて、ふと悔いに思うことがひとつあります。 それは「旬のもの、ちゃんと食べてたっけ?」ということです。
正確に言うと、食事は毎日欠かさず摂っています。 お腹が空けば何かを食べるし、美味しいものに出会えば幸せを感じる。 けれど、その季節にしか出会えない“一瞬の煌めき”のような味を、どれだけ丁寧に、意識して味わえていただろうか……。 そんな実感が、最近少しだけ薄かったような気がしてなりませんでした。
だから今年は、季節が移り変わるサインを見逃さないようにしたい。 そう思っていた矢先、街のショーケースに淡いピンク色や、香ばしい醤油の香りが並び始めていることに気づきました。 そう、和菓子の季節です。
誤解のないようにお伝えしておくと、私は和菓子の歴史に精通した「和菓子通」ではありません。 知識も情報量も、本物の方たちにはまったく敵わないと思っています。 ただ、目の前のお菓子が運んでくる「季節の空気」と、一口食べた瞬間の「あ、これこれ……」という幸福感に、人一倍弱いつくりをしています。
そんなわけで、今回は「なんとなく甘いものが恋しいな」「何かいいものないかな」という方の参考になればいいなと思い、個人的に今、絶対に外せないと思っている和菓子たちをいくつか挙げてみます。
赤坂青野の桜餅

公式HP:https://akasaka-aono.com/
公式Instagram:https://www.instagram.com/aonoakasaka/
まずはこちら。言わずと知れた名店、赤坂青野さんの桜餅です。 ここの桜餅に出会うと、「あぁ、春が来たんだな」と心から実感します。
とにかく、ここの桜餅はバランスが完璧なんです。 薄く焼き上げられた生地の、吸い付くようなしっとり感。 そこにあんこの上品な甘さが合わさり、さらに桜の葉の塩気が追いかけてくる。 この「甘味と塩気のループ」は、まさに悪魔的です。
気がつくと、一つ、また一つと手が伸びてしまう。 「1個でやめておこう」という理性が、この香りを嗅いだ瞬間にどこかへ消えてしまうんです。なんてこった。 まさに、ぽんぽん口に運んでしまう「あまじょっぱウマシステム」の完成形。 一度食べたら最後、もうこの桜餅なしの春は考えられなくなってしまいます。
新宿 追分だんご本舗

公式HP:https://oiwakedango.co.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/explore/locations/419314/zhui-fendango-ben-pu/
新宿の喧騒の中にありながら、そこだけ時がゆったり流れているような場所。 追分だんごさんのおだんごは、本当にどれも美味しいのですが、やはり「たれ」がたっぷりかかった系は外せません。
みたらし、胡麻たれ、そして「大人のみたらし」。 これらはぜひ、皆さんに絶対食べてほしいラインナップです。 驚くほどのもちもち食感で、おだんご自体のやわらかさが尋常ではありません。 口の中で「もちっ」と解けていく感覚は、一度体験してほしい。
1本から気軽に買えるのが嬉しい反面、ついつい欲張って「これも、あ、これも!」と買いすぎてしまうので本当にお気をつけて……。 ちなみに、ここは喫茶室もあって、おだんご以外にあんみつやおしるこの甘味セットがあり、これがまた美味なんです。 いつも賑わっている人気店なので、喫茶を利用したい場合は、時間に余裕を持って足を運んでみてください。
虎ノ門 岡埜栄泉の豆大福

公式HP:https://koishikawa-okanosou.co.jp/
最後は、和菓子界の重鎮とも言えるこちら。 毎朝工房で作られ、消費期限が「今日中召し上がり」という、まさに鮮度命の贅沢な豆大福です。
このやわらかいお餅と、滑らかな舌触りのこし餡……。 そして何より、豆大福の豆(赤えんどう豆)の塩加減が本当に完璧なんです。 これもまた赤坂青野の桜餅と同じで、ぽんぽん口に運んですぐになくなってしまう、悪魔のあまじょっぱウマシステムな和菓子。
ちなみに、あの木村拓哉さんも自身のYouTubeで食べていて、絶賛されておりました。 こちらは午前中に売り切れることが多いほどの人気商品なので、事前の予約や取り置きがおすすめです。 店舗は本店の虎ノ門以外にもいくつかあるので、公式HPでチェックしてみてください。
おわりに
こうして書き出してみただけでも、頭の中がすっかり和菓子の口になってしまいました。
思えば和菓子というものは、不思議な存在です。 ケーキやパフェのような華やかな主役感とはまた少し違って、日常の句読点のような、ホッとする安心感を与えてくれる気がします。
忙しく過ぎていく毎日の中で、ふと立ち止まって季節を味わう。 お気に入りのお皿を出して、丁寧にお茶を淹れて、賞味期限が「今日まで」の贅沢を噛み締める。 そんな小さくて豊かな時間が、今の自分には何より必要なのかもしれません。
これから春が本番を迎え、街の色がどんどん変わっていきます。 花を愛でるのもいいけれど、私はやっぱり「花より団子」の精神で。 移ろいゆく季節の味を追いかけながら、お腹も心も満たされる2026年を過ごしていければなと思っています。
皆さんの日常にも、ひとときの甘い幸せが訪れますように。

